お庭の植物のお手入れについて、お手入れの道具からその使い方までをご紹介いたします。

お手入れに必要な道具として鋏や鋸などの刃物が上げられますが、その代表的なものと使い方をご紹介いたします。



お手入れの道具(刃物について)

 

木 鋏
 

蕨手:植木屋さんが剪定をするときに一番よく使う道具と言えるでしょう。細い枝を切るときに使用します。人差し指を持ち手の輪の外に出して持ちます(細やかな動作が可能になります)。
    
参考商品  岡恒 植木バサミ(多くの植木屋さんが使っています)。
 
剪定鋏
 

剪定ばさみ:上の蕨手と同じように主に枝を切る鋏ですが直径1.5cmぐらいの枝なら容易に切ることができます(太い枝は無理せずのこぎりで切ります。

参考商品 岡恒 剪定鋏
 
刈り込み鋏
 

両手刈り込みバサミ:生垣、玉造り、トピアリーなど大きな刃で一気に刈り取ります。

参考商品 岡恒 刈り込みバサミ

 

のこぎり:太い枝などを切るときに使用します。慣れると力を使わずに切れて重宝します。

参考商品 SILKY GOMBOY (折りたたみでズボンの後ろポケットに入るサイズながら切れ味はとても良いです)。
1. 基本の剪定

     ご家庭の庭木の手入れについて説明します。
    常緑樹も落葉樹も基本的な鋏の入れ方は同じです。
    ※(厳密には其々の樹種が持っている自然樹形に沿って整えます)


                                  図.1落葉樹の冬の姿とお考えください

図.1のような樹形の中高木のお手入れをする場合、最初どこから手をつけてよいのか迷ってしまうかもしれません(実際の木はもっと枝数も多く、常緑樹ならば葉っぱも多く茂っていて見えにくいです)。
しかし、慣れてくると切るべき枝を比較的容易に探し、自然な形で剪定することができます。


それでは切るべき枝を説明します。

図.2
赤く表示された枝です(実際はもっとたくさんついていることが多く、付け根からきっちりと切り取ります。

図.3
上図のようになります(若干すっきりしたでしょうか)
まだ切る枝は沢山残っています。

一番最初は木の上部によく発生する、通称”トビ”(図.2)という、赤くなっている枝を切り取ります。
トビはカシなどの常緑樹などに多く見られます(木は日の光を多く受けるために伸ばすので仕方ありません)。


次に仕上がりの大きさ(樹環)を考えます。


図.4
図.4のように仕上がりを考えたとき、大きくはみ出した赤い枝を切り取ります。
このときの要点として、赤い枝のすぐ下に樹環を補う枝〈黒色)があるので、赤い枝を根元からきっちり切り取ります。

図.5
少し自然な樹木の形に整ってきました。

次は本来切りたいけれど残す枝について説明します。
図.6
ほかの枝と逆方向に伸びて切りたい枝ではありますが、切ると、ボッカリと穴が抜けてしまうと空いてしまう可能性があります(図.7)。



図.7
図.8
図.6の赤い枝は根元から切らずに少し枝数を減らすように透かしします。そのことにより、下にある枝に光を当て、将来は下の枝でこの範囲を生めるようにします(図.6の赤い枝についている小枝を何本か切り取ります)。
続いて込み合った枝を整理していきます。

図.9
枝を上から見た図

後は仕上がりの大きさを考えて、枝を分かれ目のところから剪定ばさみか木鋏などで透かして仕上げていきます。
図.10
仕上がりの大きさを意識して仕上げますが、枝の途中で切ってしまうとごつごつして、樹木らしさが損なわれてしまいます。
切る場所は赤い線で示したような枝の分かれた場所を元から切り取ります(ここで切り取ることにより切り口も早く治り易くなります。
図.11
仕上がり後の状態です。
図.6の枝はこれほど大きく樹冠を占める前に切り取りたい枝ですが、実際はこのような育ち方をする枝は多くあり、状況に応じて「残す」、あるいは「切る」判断をして、処理する必要があります
図.12(図.1)
剪定前の図.1ともう一度見比べてみます。実物の木の枝はさらに多く、葉っぱがあると手探りで切る場所を探すことになります。
剪定後は枝の向きがある程度同じ向きを向いて自然に見えるようにします。

低木の場合
基本的には同じ剪定を行います(細い枝が多いため鋸は使わなくても良いでしょう)。
図.1

図.1のような低木の場合、刈り込みバサミを使って丸く仕上げてもかまいませんが庭を広く見せたい場合は中高木と同じように「透かし剪定」を行います。
図.1は葉っぱが茂った状態ですが、落葉樹であれば、冬に行うとやりやすくなります。
図.2(仕上がり予想図)

仕上がりの大きさを図.2のような形にすると想定します

図.3
図.2の仕上がりの姿をラインで示した図です。
低木の場合、まず赤く表示した(ラインからはみ出した)枝を地際から切り取ります。


図.4
後は少し乱れた枝を付け根で切り取って透かします。
図.5
枝を少し透かしてさっぱりしました。
図.6
完成です。
基本的には中高木と変わりませんが、最初に地際で伸びた枝を元から切り取るとかなりすっきりするので作業はより簡単です。
まとめ

ご説明いたしました剪定方法には両手の刈り込みバサミは使用しません。
低木で円形に仕上げたいときは刈り込みバサミを利用して、簡易に仕上げますが、基本的に中高木を自然に美しく保ちたいときは上記に説明したような「透かし剪定」で管理することが不可欠になります。
 先にも述べましたが基本的な剪定方法は
落葉樹・常緑樹もさして変わりありません。のような針葉樹もほとんど同じ切り方で保つことができます(松の場合もコツさえつかんでしまえばこの「透かし剪定」と古葉のもみ上げ(古い葉を手でむしりとり手作業で仕上げます)を行えば年一回の手入れで綺麗に保つことができます。





こちらの写真は京都市西京区の退院の冬景色です。それほど広いスペースではありませんが狭さを感じさせないのは「マツ」・「モチ」・「マキ」などを自然風に透かしてあるということが一因にあると思われます。



左の木はマキです。刈り込みバサミで安易に調えられることの多い樹木です。しかし、このように自然風に剪定してあると、狭い場所でも、あるいは和洋問わず、利用できます。